からあげ

 

 

小さな頃から大好きで 今も変わらず大好きで

あなたのその笑顔と あなたが作るからあげ

 

下味は優しさで  衣は愛情で 

 

そんなはずないじゃない

スーパーに売ってるからあげ粉よ

 

遊び疲れ帰って 扉を開ければ

大皿のからあげ

 

お母さんのからあげ一つ 

頬張り笑みがこぼれる

明日も笑って過ごしてね 

そう言ってる気がした

 

離れて暮らす空の下 電話越しのあなたの声

今度帰ると言ったら からあげ作って待ってるね

 

もう子どもじゃないから あり合わせでいいのに

何を言っているのよ 

あなたはずっと私の子どもよ

 

帰ってきた理由も聞かずそっと出てきた

大皿のからあげ

 

お母さんのからあげ一つ 頬張り笑みがこぼれる

いつでも帰っておいでね そう言ってる気がした

 

夕方6時のキッチンに あなたの影と揚げる音

子どもの頃から変わらない 

だけどねぇ・・・

 

小さくなった背中と しわが増えたあなたの手

ずっとずっと変わらない あなたが作るからあげ

 

いつかあたしに宝物 できたらその時は

あなたのような母に なりたいと思った